Yamazaki Dental Clinic

歯周組織と歯周病

健康な歯周組織の構造と歯周病について

歯周組織の構造とは、歯周組織には歯肉歯根膜歯槽骨セメント質が存在しています。そのうち歯肉は結合組織(歯肉結合組織)と上皮の部分に大きく分けられます。



 歯肉結合組織の主成分はコラーゲン線維で,歯肉が健康な場合にはこれが密に走行し,セメント質や歯槽骨と結合しています.この結合組織を覆っているのが上皮で,そのうち歯肉溝上皮は歯冠側の歯面と接していない部分で,その根尖側方向には,歯に接している接合上皮があり,ヘミデスモソームという機構をとおして歯面に吸着しています(図1).
 健康な歯周組織では,接合上皮の長さは約1mmといわれています.そして,その接合上皮の最根尖部から約1~1.5mmの部分に歯槽骨が存在します.



  この歯槽骨と接合上皮の間の結合組織とセメント質が結合している部分は結合組織性付着とよばれます.そして,歯槽骨とセメント質の間にもやはりコラーゲン線維を主成分とした歯根膜という結合組織が存在し,歯槽骨,特に固有歯槽骨とセメント質とを結びつけています。
   歯周炎になると、この組織がどのように変わっていくのでしょうか? 歯周疾患の原因は、さまざまな細菌から構成されるプラークですが、プラークが歯面に付着すると隣接した歯肉に炎症が起こります。炎症は生体の防御反応で、これにより細菌やその産生物が身体の奥深くに入り込んでくるのを防ぐわけですが、炎症は外来の敵に対抗する反面、自己の組織の破壊を引き起こします。たとえば、歯肉結合組織内の血管内にいる白血球は、細菌をやっつけるために歯肉溝付近まで移動していきますが、そのためには自己の組織は邪魔になるので、コラゲナーゼなどの酵素を出して結合組織を破壊します(図2)。

   プラークが付着しても初期段階では炎症は歯肉にとどまり、歯を支える支持組織には影響しません。いわゆる「歯肉炎」の状態で,この段階で歯肉が腫脹したために形成されたポケットを「仮性ポケット」といいます(図3-①)。仮性ポケットができると、歯肉縁下に相当する歯面にプラークや歯石が沈着します。歯肉縁下は歯肉縁上と比べると酸素濃度が低いため、このような環境に集まるプラーク中の嫌気性菌の割合が増え、歯周炎に感受性のある人では歯肉炎から歯周炎に移行していく可能性があるのです。

「歯周炎」になると、炎症が根尖側方向まで波及し、歯を支えていた組織(歯根膜,歯槽骨,セメント質)が失われていきます。同時に接合上皮が根尖側方向に伸びていき(ポケット上皮)、結果として歯面と歯肉との間の溝が深くなり、歯周ポケットが形成されるのです(図3-②)。