
フッ素
フッ化物の慢性中毒で起きる斑状歯とは?(フォントがピンク色の文字はクリックすると説明があります)
斑状歯とは、もともとは世界的にフッ化物濃度のたいへん濃い天然水を日常的に飲んでいる地域で発見された症状です。
地域的に歯の変色が多数の人に見られ原因としてフッ化物が特定されました。同時にその地域では極端にむし歯の発生率が少ないことも発見され、フッ化物のむし歯に対する有用性が研究され始められたのです。日本では以前井戸水や自家用ポンプによる水道水使用での、軽度や中程度の斑状歯が宝塚市や津軽地方で見られていました。
斑状歯は、①歯があごの骨のなかで育っている時期に、②過量のフッ化物を、③長期にわたって習慣的に摂り続けたときに起こります。そのため、歯が盛んにあごのなかで形成する生後まもなくから2〜3歳までがおもなリスク年齢です。
歯の表面が全体に茶色く、あるいは白くなる症状ですが、健康上はまったく問題なく歯はとても丈夫です。井戸水を使用する習慣がなくなり水道が普及した現在の日本では、フッ化物配合歯磨剤を習慣的に食べ続けでもしない限り、斑状歯の心配はありません。
海外では、フロリデーション水道水十フッ化物タブレットを使っている場合などに中程度の斑状歯が見られることがあります。そこで、重複して使用しないような指導や対策が行われています。また、フロリデーション水道水を飲む人の10%にごく軽度の斑状歯が生ずることがありますが、毎日歯をみがいていると、表面が自然に研磨されてごくふつうの色になってしまうことがほとんどです。
フッ素はもともと自然界にある天然ミネラル成分です。私たちの歯や骨の健康に欠かすことのできない元素で、体内や、土や野菜、くだもの、肉や魚にも含まれています。
からだに必要な塩も、カルシウムも、適切な量を摂るから役に立つのであり、どんなものでも摂り過ぎれば副作用があります。 それと同じで、フッ素も適切に使えば、お子さんの歯を守ってくれる強い味方です。
摂りすぎによる副作用としては、前述の「斑状歯」といって歯がうまく育たず、茶色くまだらになることがあります。が、これはフッ素が多く含まれる硬水を日常的に飲んでいる地域で昔から見られる現象で、日本の水は軟水ですし、水道水にフッ素が添加されている地域はありません。1回の歯みがきに使う量をたまたま飲み込んだくらいでは決してなりません。安心してください。
日本の歯磨剤に入っているフッ化物の濃度は1000ppm以下に決められていて、世界的にも低濃度です。当然歯ブラシにつけた分を飲んでも大丈夫なように作ってあります。
フッ素は、お子さんはもちろんですが、大人のかたにもぜひ使っていただきたいものです。たとえば、歯ぐきが下がって歯の根っこの軟らかい象牙質が露出していたり、歯の表面のエナメル質が欠けていたり削れていたり。大人の歯だってむし歯になりやすいのです。
フッ素が歯の表面組織のアパタイトを丈夫なフルオロキシアパタイト結晶に変え、再石灰化を促進してくれます。フッ素が積極的に使われている国々では、むし歯が激減しています。フッ素は低濃度でも、お口のなかに長く残っていれば予防効果が高いので、うがいが少なくてすむように、日本の歯磨剤はだんだんマイルドな味になってきています。歯みがき後のうがいを1回にとどめるのが、いまもっとも進んだ歯みがき法です。
しかし、赤ちゃんがチューブを一気飲みすると、フッ素中毒で吐いたりおなかを下したりすることがありますので気をつけてください。